神奈川ゲーム「コードネーム・グリグラV」
1999/10/9

待ちに待った人参軍参加ゲームレポートコーナー発動!
第一回のレポートは、我らが偉大なる領導者・紅中兵主席によるものだ。
人参軍的史観に彩られた独特のタッチで書上げた、指揮官の目から見たゲームインプレッションをお楽しみあれ!

 

タイトル
・逆シン・レッド・ライン
・壮絶!突撃フラッグゲット
・無念!幻の敵旗奪取

・逆シン・レッド・ライン

あれは午後早い時間のゲームだったと思う。人参軍の援軍が到着し、人民兵が急増したので午前中の「単色&自衛隊迷彩VSその他」の組み分けを「中国人民解放軍装備(人民服・中国軍旧型迷彩・同新型迷彩)VSその他」にした為、午前中に同志であった日本兵のO氏には対向側の纏め役をお願いしたのだった。
我々人民兵団は山頂のフラッグからスタート、少数の攻撃隊を右手尾根づたいに発進させ、残りはフラッグ守備として斜面に差し掛かる手前で守りについていた。
と、斜面下左側に日本兵出現!単色系の中では比較的目立つ為守備兵達の注意が左に向かっているのを感じた。「一人だけあたらせ、それ以外は右の警戒!」言い終わるのを待たずに右下方から猛射が飛んで来た。最右翼に位置していた私はそれであえなく戦死、他にも数名があっという間に殺られてしまった。
谷を下って対岸のセーフティーに向かう。やや登ったところにフェンス上の鉄柵があり、誰となくそこに銃を置いた。ふと見ると、向いは我々が守備した山が聳え立ち、先ほど発見の報を受けた日本兵がまだがんばっているのが見えた。
「おお、さっきの日本兵だ」「一人だったんですね」
我々の会話とは無縁の日本兵O氏は、たった一人でも敵陣を攻略しようと僅かなくぼみを利用しては銃撃の間を縫ってじわじわと攻め上って行く。そして、その模様は我々のところからは丸見えだ。
「おお、まさにハンバーガーヒル!」「いやあ日軍だからシンレッドラインでしょう」
「でも日軍が攻めてるから『逆シンレッドライン』だな」
我々の気楽な雑談とは裏腹に、眼前では一進一退の激しい攻防が繰り広げられる。
「おお、あんなところまで登ったぞ」「敵ながらがんばって登りきって欲しいですね」
人参軍最強の守備兵・奈良同志の迎撃を受けているにも関わらず孤軍奮闘を続ける皇軍兵士は右に左にと巧みにかわしながら、とうとう中腹まで到達してしまった。
もしかしてこれはいけるかも?!と誰もが固唾を飲んで見守っていた中、人民狙撃兵のAKが(この日はドラグノフでなかった)一瞬の隙を見逃さず火を吹く!
「ヒットッ!」
彼の長い戦いは終わった。
セーフティーに戻ってくると、彼は言った。「後ろで見られてるの感じてました」
さぞややりにくかった事であろう。しかしわれら4名は貴方の健闘を決して忘れない。
ちなみにこの1戦のその後であるが、この時点で攻守は5人対2人。フラッグ陥落は時間の問題に見えたが人参軍の守護神奈良同志は奮戦、じりじりと3名が血祭りに上げられ2対2まで持ちこんだところで残念ながらタイムアウトと相成った。

特別寄稿:奈良人民狙撃兵のコメント
いや〜、序盤で右方向にいた主席とマンボウ同志がいなくなったとき、彼等を撃った敵の位置を把握できていなかったんですよ。
で、重点的に右方向を索敵していたのですが、中央道路の少し奥に敵影を見たのでそちらにかかりきりでした。この敵兵はなかなかの手練れで、私も都合100発くらいの弾を使ったような気がしました。
この右方向の敵と渡り合っていたとき、左を大回りされたらどうしようと内心冷や汗ものでしたが、日本兵は下の窪地に張り付いたので「助かった」と思いましたね。結局はこちらを伺おうとして頭を上げたときに撃ち込んだのですが、単独行動でしたので、増援があればまた違った展開で面白かったに違いありません。
安らかに成仏して下さい。
敵側だった皆さん、このような勇敢な同志を見殺しにしてはいけませんよ!!
 


・壮絶!突撃フラッグゲット

この日フラッグは一つが谷底の平坦な場所に、そしてもう一つが小高い丘の上に設置されていた。余談ながら山頂の旗は星条旗、我々人参軍人としては攻めるに士気上がる(守るには気が進まないが)ものである。
今回のゲーム、我々は谷底からスタート。我輩の作戦は「守備兵は置かず、全軍全力で敵フラッグ攻略。いかな犠牲を出しても膠着を避けて前進せよ!」というものであった。
※一見勇ましく聞こえるが、要は守備志願者がいなかっただけである。
我々は2班に分けて進行ルートを設定、1班は大きく迂回して敵との接触を避けながら確実に旗を狙う。一方の我が方は敵フラッグまでほぼ真っ直ぐの山越えルートで、陽動&場合によっては侵攻する敵の遅滞に当たるつもりであった。
ただし、何にせよ旗の近くには誰もいない。一人でも突出されたら終わりなので、基本方針としては「取られる前に取れ!」である。
かくして開始の号令と共に、総員が全力疾走で斜面に取り付く事となった。
結構きつい斜面だが、力でねじ伏せるようにどんどん駆け登っていく。
と、左から伏兵の応射!
たちまち3本の銃口が向きをかえて一斉射撃。圧倒する火力に一連射で勝負は着いた。
射撃に足を止めたのもほんの一瞬、邪魔者が排除されると我々はすぐに駆け出した。
やがて斜面から平坦になるちょうど縁の部分まで到着。
「同志、散発的に出て行くと的にされるだけだ。適当な間隔を開けて一斉に突っ込むぞ」
私はすぐ左隣の同志に指示を与えていた。が、その直後右やや距離を開けて並列していた義勇兵(中国軍旧型迷彩・天安門事件の頃の突入部隊のヤツね、を着用)が雄叫びを上げて飛び出した。
「ウラー!」
イカン!私は戸惑っている左の同志を促す。
「同志に続け!彼を見殺しにするな!」
その場にいた全員が彼に続いて突進し、走りながら敵のいそうな所に銃撃を加える。
「特殊部隊の迷彩兵を先導に、人民兵達が後に続いて突撃!」我ながら絵になる光景と思いちょっと酔っていると(当然その間も走り続けていたのだが)、やがてエリートたる迷彩兵は見事フラッグゲット、この一戦をまさしく「速度戦」のうちに終えた。
時間にして5分と経っていない。
終了の報に接し、当初我が軍のうちにも「守備を置かなかったせいであっさり軍旗陥落」と思った者が居たほどに見事な勝利であった。
斜面の伏兵排除時に見せた連携といい、最後のアタック時の一幅の絵の様な構図といい、短時間ながら誠に中身の濃い一戦といえるであろう。

※所謂「これがあるからサバゲ楽しいよね!」っていう典型である。
 
 

・無念!幻の敵旗奪取

その後も何度かゲームを行い、泣いても笑っても時間的にこれが今日のラスゲーと相成った。
途中は取ったり取られたりの一進一退の攻防が続いたが、それでもやはりラストと思うと勝って帰りたいと思うのは誰も同じ。
そこで私はレイテ沖海戦に倣った、3軍を異なる速度で進ませてのフラッグ奪取を目指した。
今回我が陣は山頂、比較的攻めやすい地形だが更に必勝を期した作戦とはこうだ。
尾根沿いに進む、遮蔽物は多いが機動が困難な右ルートは大きく素早く、それよりやや手前の山腹を斜めに下降する中央ルートは普通に、そしてフラッグから真っ直ぐ下へ向かう左ルートは、敵の攻撃を受け止めつつゆっくりと前進、である。
全員攻撃の陣形だが、左ルートの班は敵の侵攻状況によっては戻って守備の任に就く。今日一日このフィールドを使った経験から編み出した、おそらく最強の陣構えであろう。
開始の号令を出した後、各自が自分の持ち場に向けて発進した。勝利を信じて・・・
我々中央班は、最も接敵する可能性が高い事や可能なら右ルートの迂回班と時を同じくして突入しようという意図から周辺警戒しつつ動ける速さで前進、下山していった。
まだ中腹にも届かないあたりで、右ルートを進んでいた味方の「ヒットー」という声が響き渡った。
どうやら敵さんは虎の子の守備兵をはるばる後上方の稜線近くにまで派出していたらしい。
とはいえ声のした方角から考えるに、我々に対して脅威になるにはあまりにも遠すぎだ。
こういう時は敵の立場になって考える。私ならあまりにも離れた彼(伏兵)とフラッグの間に1〜2名更なる兵を埋伏させるだろう。という事はそれだけフラッグ周辺が手薄になっている事であり、向こうに近づかなければ彼らの潜伏を徒労に終わらせる事も可能だ。
それに、現に我が方で若干の犠牲が出た以上、「まだまだ来る」と思いこんでいてくれれば今の持ち場からは動けない筈である。
私は我が班員と共に、そのまま前進を続けた。
かなり下って来た所で、左に動く物体、オッと一瞬銃口を向けかけるがそれは別ルートから進攻して来た同志マサヲであった。マーカーではなく装備(服)による組み分けのお陰で瞬時に敵味方の判別が出来るのがありがたい。
この日初投入のMP44が人民服と非常にマッチしている。しかし彼はマガジンが一本しかないのだ。
私は彼にも勝利に貢献してもらう事にした。(不敵な笑み)
フラッグ周辺の敵情が今一つはっきりしないので同志マサヲをポイントマンとしてそのまま前進させる。
かなりフラッグに接近した所で猛射を食らい、彼は昇天した。
「良くやった。仇はとってやる!」
どうやら伏兵はいるものの、フラッグ直前が防衛線になっているらしかった。
私は傍らの同志白頭山を呼び、マサヲ戦死点の前まで共に進む。
谷底の道、その我々の真っ正面に黄色いフラッグがはっきりと見て取れた。
「すぐ前にフラッグが見えるな。敵はいるものの、どうやら配置が良くないようだ。速度戦で攻めれば必ずや陥落させられる筈である。
一連射で共倒れにならない間隔をとって、ダッシュで敵軍旗を奪取するぞ!」
決意に満ちた表情で短く頷く同志。常連メンバーはこういう時ありがたい。
あとはやるだけだ。それ行け!
フラッグめがけ、とにかく突っ走る。勿論怪しい所にはBB弾をぶち込みながらだ。
私は同志白頭山にフラッグ街道を譲り、やや右前を3mほど離れて走っていた。
予想以上の火力が応戦。しかし不意をつかれたのか予想より射撃開始が遅かった。
雨あられと降り注ぐ銃弾に私はヒット。すぐ後ろからも同志白頭山の「×ッ×」という一声(あくまでも一声だけ)が聞こえた。
やはりこの火力を前には無理だったか。両手を挙げてセーフティーに向かう。おっとその前に守備兵にお願いをしておかなきゃ。
「最後の人は旗回収して来てね」
歩き出すと、彼がぼそっと言った。
「旗触りました」
そうか、あの猛火の中を旗に触るまで接近できたか。(という意味だと思った)
「触ったというか、もう確かに握りましたよ」
「で???だってヒットって・・・???」
「あれは『取った』って言ったんです」
アイヤア!チョーイヨーイ!だったら終わりじゃないか!
とはいえやられたという前提で考えていてもうセーフティーに向けて歩き出してしまったからには、今更「やっぱり今の間違いです」というのも相手に申し訳ない。
普通旗取ったら上気した声で「フラッグタア〜ッチ!」とか「ゲーム終了!」とかいう台詞が当然続くもんだと思っていたので、クールな「取った」の一言しかない同志がまさか旗を取っていたとはまったく予想だにしてなかった。
ああ、勿体無い事をした・・・と思っていたら山頂(我々のフラッグがある)から「終了〜」の声。
で、当然相手方はフラッグゲットによる自分達の勝利を告げてきた訳だ。
セーフティーに戻って聞いてみると、我々と対峙した守備兵からもフラッグタッチは確認できていたそうだ。で、何で帰っちゃうのかなと思ったとか。
アイゴー!幾らサバゲは自己申告だからって、だったら終わりって教えてくれても良かったのに・・・
そんな訳で同志白頭山の初「軍旗奪取」は確かだったんだけどノーカウントという、なんとなく後味の良くない終わり方になってしまった。
だがこの教訓は必ずや次回ゲームに生かされるであろう。目指せ叙勲ものの武勲!負けるな同志白頭山の虎!!

※今日の教訓:
フラッグをゲットしたら、「オレが取ったぞ」「ゲームは終了だ」と強力に自己主張しよう!



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