リトル上海ランウェイ
−第七次上海戦総括−
2012/4/30


2012年4月30日 UNIONインドアフィールド U−B0X
筆:紅中兵


人参解放軍伝統芸能となりつつある「上海戦」だが、今回より現用ゲーマーの参加にも広く門戸を開放しより「仮想戦記」的要素を色濃く打ち出してみた。
なんたって所詮は遊びなのだから、自由な発想・自由な設定である特定の世界観を構築してそこに自分が身を置き遊んでみる。これこそがテレビゲームや映画・ドラマでは成し得ない体験型ゲームの醍醐味である。
そう、このゲームにはシナリオはない。歴史を変えるのは君自身なのだから。

さて、今回第七回を迎えた上海戦の推移を、惜しくも参加できなかった読者諸氏の為にダイジェストでお伝えして行こう。
 

1戦目:宝物警護戦

今回より新しく取り入れたイベントゲームで、双方共に守るべき宝がある。この宝物を敵から奪い戦場から離脱した側が勝者だ。
しかも、この1戦で勝利した陣営は次の1戦で部隊の復活可能数が2回多くなるというアドバンテージを得る事が出来る。

さて今回、国府軍は蒋介石の命により上海銀行に保管されていた金塊を南京まで輸送する任を受けていた。
一方の日本軍は、北京原人の骨を戦禍の混乱から救う為、これを帝国海軍の軍船が屯する港湾まで護送していたのである。
この両軍が、ここリトル上海で激突した!
双方共に、守るべき物を守りつつ敵の作戦遂行を阻止しなくてはならない。

緒戦にて、国府軍はさしたる抵抗も受けず上海銀行に取り付き金塊を手にする事に成功。しかしこれは日本軍側もまた戦力集中により北京原人の骨確保に全力を尽くしていたが為であった。

かくして両軍とも守るべき宝物を確保し、次に目指すは離脱する敵軍の阻止と可能ならその宝物の奪取である。
国府側は主力の第一師団が全員操桿式小銃の為、着実に被害を強いる事には成功しているものの中々対峙した敵軍を全滅まで持っていく事が出来ない。

「短機関銃の斉射で前進出来ません!自動火力の制圧力は圧倒的です!」

「きちんと狙って足を止めろ!中共軍が迂回して側面から敵を黙らせる!」

装備優良な帝国陸・海混合部隊を相手に、国府第一師は苦戦しつつもどうにか戦線を維持し、その進出を阻止して対峙していた。

しかしその間に、未来からやってきたと言う緑色の斑模様をした「もう1つの日本軍」は戦線の隙をついて脱出に成功、北京原人の骨は戦場に失われる事なく(でも、戦闘でちょっと欠けたが)日本に向けて出港したのであった。

かくして、日本軍は第二戦で復活回数が6回と、通常の1.5割増しのアドバンテージを受ける事となる。
果たして、歴史は変わるのか?

  


2戦目:憂国有情

さて、前回の一戦で謎の「新日本軍」の活躍を得て無事北京原人の骨を本国に送り出した帝国陸海軍は、この功績により強力な増援を得る事が決定された。
危うし中国軍。
しかし、ここで一発逆転を狙いたい中国軍は、効率よく1師団毎に全滅を強いて日本軍に増援分の出血を強いる事で勝利を得んと、地の利を活かした戦術を駆使して待ち構える。

かくして、両陣営激突の幕は上がった。

部隊連携においては、栄誉第一と謳われた国府第一師はすさまじかった。
銃撃で敵を倒すと、すかさず敢死隊を突入させ負傷中の日本軍を確実に「ヤスクニ」送りにしてくる。

敢死隊のすぐ後方から通常部隊が続き、敢死隊の突入した穴もがっちりと確保、間髪を入れず日本軍を追い立てていった。
たちまちリトル上海の半分を制圧、すぐに索敵モードに入ると残敵の一掃に入る。

一瞬の隙に建物を移る日本軍。逃がしたか、と思ったその時向かい側から突入をかけるは中共軍。身軽さが信条の彼らは乱戦をあっさり制し、たちまちのうちに日本軍は「ヤスクニ」ご一行様と相成った。

ご存知のように、このゲームでは同部隊と上手く連携出来れば被弾しても即戦死とはならない。

国府・中共とも多数の損害は出したものの、部隊全滅は逃れる事が出来、その一方で確実に日本軍をリトル上海から追い出して行く事に成功、かくして折角増援のアドバンテージを得た日本軍もフィールドから全滅させられ(※部隊単位で全滅したら復活が出来るのだが、もたもたしていて全部隊が全滅し「ヤスクニ」在住状態になると敗北となる)、第二戦は中国軍の勝利に終わった。 


3戦目:龍玉リターンズ

さて、2戦終わって恒例の人参解放軍による茶菓振る舞いが参加者に展開され、甘いもので一息とっている間にリトル上海にはあの「玉」が降臨していた。

そう、7つ集めると願いがかなうというあの「玉」だ。

本ゲームは、当初は通常の上海戦だが、途中玉を拾い集め、戦死した者は持っていた玉を置いて消えていく。
そして片陣営が全滅した時、残った陣営ではバトルロイヤルの末に全ての玉を手にした者に何かが起こる・・・

今回は、激闘の末に拳銃戦闘に長けた中共軍のサイファー殿が全てを手にし、「国共内戦時に打ち負けない強力な装甲部隊が欲しい」という彼の願いに応え「新日本軍」の機甲一個中隊が贈られたのであった。


4戦目:リトル上海は燃えているか

さて、一旦は龍玉の争奪により混乱した戦線も日本軍の増援到着により再び日中激突の場に戻った。

この頃には見たこともない新兵器とその強力な火力で中国軍を圧倒していた「新日本軍」も戦術が知られるにつれ当初程の脅威ではなくなり、帝国陸海軍との連携の隙を衝かれて押され始めていた。

地の利を得る中国軍は操桿式小銃主体の低火力をものともせず、被弾させたら復活前に殴り込み、で次々と帝国陸海軍そして「新日本軍」をヤスクニ送りにしていく。

火力優勢を保ちながらも段々とリトル上海の一角に押し込められていく日本側は、正にこのゲームの本質を身をもって体現しているかの様であった。

かくして、押し捲る中国軍は日本軍部隊に度重なる全滅をもたらし、4戦目を勝利に飾ったのである。


5戦目:リトル上海の落日

かくして、緒戦を決定的勝利に終わらせた日本軍ではあったが引き続く戦闘では中国軍が根性を見せて挽回、その後の展開を有利に進めつつあった。

日は西へと傾き、日本軍の優勢も落日に近づいたかの如き状況下で、当初圧倒的な優勢を見せた「新日本軍」もその戦力が限定的である事や、中国軍側に戦術が読まれる様になってきた為に、戦隊ヒーロー物で途中から出てくる追加ヒーローの2度目以降の登場みたいに、初回ほどの強さも伺えなくなって来た。

そのため、日本軍有利と思われた戦力差はかなり薄くなり、流石に5戦目となると押して押されての勢力拮抗状態が続く。
そしてまた、互いに負傷兵を救う事にも長けてきたのでそうそう「ヤスクニ」送りにも出来なくなってきた。

そんな中で、何度目かの「シャングリラ攻防戦」を制した後に、取って返して上海中央銀行を奪還しようとした我々が四行倉庫周辺に展開を終えた時、停戦連絡が届く。

「所定の時間に到達しました。戦闘はこれまでです!停戦!」

かくして、リトル上海中央に再度激闘が勃発するかと思われた刹那、我々の戦いは終わりを告げた。

今回の戦況:
第一戦 日本軍勝利
第二戦 中国軍勝利
第三戦 サイファー殿龍玉ゲット
第四戦 中国軍勝利
第五戦 引き分け


さて、次回はまた一年後に? 



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