サバゲ「戦場の絆」in笠幡 
2007/2/25



川越ネットワーク主催ゲーム参戦レポート
概要:人参解放軍よりの参戦 3名 ゲーム全体の人数 20数名
 筆・紅中兵

 1月に続き2月も天候不順で我軍主催ゲームがお流れになってしまった。
遠征は行っているものの、折角のゲーム予定が2週先まで伸びてしまうと、この高ぶる感情をどこかにぶつけたくなってくる。という訳で今回は埼玉にて定期的に活動されている川越ネットワークさん(以降、川越NWさんと表記)を訪問し、定例戦に混ぜて頂いた。
この日我軍からの参戦は同志イノウエ・同志金子そして紅中兵の3名。最近もっとも出席率の良い3名なので、2ヶ月近いブランクはあるにせよすぐに勘所を取り戻せる事は疑いない。

ちなみに当日は徒歩行軍時間を考慮に入れ、フィールド集合の20分前に駅近くで待ち合わせたのだが2007年のネタ大賞を狙う同志イノウエは今年初参戦から遅刻、しかし歩いて20分の道のりを縮地の法を使い我々がフィールド到着した直後にしっかり現れ実質はあまり影響せず、という離れ業をやってのけた。
我々の徒歩行軍について「あの距離を歩いて来た?!」と驚く川越メンバーさんに「いえいえ、走ってきました」と厳しいツッコミを入れていた彼であった。

それはさておき、こちらの定例戦には我々が常に意識しているイベントゲームがある。
その名を「HG戦」という。誤解を恐れず端的に言うと長時間ノンストップ戦闘なのだが、これがなかなかハードである。
熱烈なる我が人参日報愛読者諸君そして千葉初石203フィールドでの人参軍主催ゲーム経験者なら、人参解放軍にも「1時間戦」という長時間ゲームがある事をご存知と思うので、これと比較してみたい。
コンセプトの点から述べるなら我々の「1時間戦」は大国の正規軍同士が衝突する実際の戦争っぽさを考慮にいれたルール設定の為、専用に設けられた幾つかの特別ルールや、人によってはゲーム時間に占める待機時間が長くなるケースがある。
これに対し川越NWさんの「HG戦」は、少人数特殊部隊によるLARP(長距離偵察)っぽい雰囲気の、とにかくノンストップでサバゲを所定時間やり続けよう、という趣旨のゲームである。

ルール的には
・3ー5名程度(ゲーム参加人数により変動)のグループを幾つか作る。
・各グループ適当にフィールド内に散らばり、ゲーム開始。
・戦闘で死亡したら白布を頭上にかけ、その場にて移動攻撃不能状態に。しかし仲間がタッチしてくれたら復活。
・自グループ全滅したら、1ー2分(要は全滅させたチームが適度に離れたら)経過後に「復活」。再度ゲームに参加出来る。

これを所定時間(だいたい1時間以内)、エンドレスに繰り返すのである。

とにかく周りで動くものは皆敵だ。しかも場所が悪いと四方が見通し良かったりして、ゲーム終了まで全滅を免れるのは結構至難の業である。というか全滅した回数を如何に減らすか、が当初の我々の目標であった。
昨年に伺って初めて体験した際はもうボロボロ、被見敵必殺とでもいうのか見つかったら必ず全滅に追い込まれていた。それも4人のグループで、この体たらくだ。

今回は全体人数も前回より少なく、グループも我々人参解放軍は3名で1グループ。前回参加者のうち同志マカーロフを欠くのみで全員HG戦が何たるかは知っていたので、その点はまだ救いはあったのだが・・・

さてHG戦1回目。
前回の教訓からそして人数的な見地から私は「地形を利用出来る場所に陣取り、不足する偵察範囲をカバーして効率良く戦う」事を提唱した。同志金子が提案する。「それでは塹壕を利用しませんか」確かにフィールド中には涸川と思われる塹壕が存在するのだ。
「宜しい。では塹壕を利用して防衛戦に近い形で移動する敵を待ち伏せしてみよう」
かくしてフィールドを真っ直ぐに塹壕エリアに向かう。しかしこの「塹壕」は非常に長く、どの辺で陣取るかと様子を見ながら移動中にもう開始合図が!
もたついている訳にはいかないので、とりあえずその場に散開して守備体制につく。同志諸君とも中々良い感じでくぼ地に潜んで平原側を伺っている。
が・・・この時は偵察の死角から進入した敵グループに吹っ飛ばされたり、塹壕内に入ってきた敵と外の敵から挟撃されたり、一旦塹壕を捨てて平原に撤退したところで待ち伏せに接敵して一掃されたり、と結局何度か全滅を経験、中々難しーなーと痛感した。

が、困難であるからこそ、ものすごく面白いのだ。同志諸君も「あの時こうしていれば良かった」「あそこではこう動くべきでしたね」と活発な意見が飛び交い、通常ゲームの何倍も濃い戦術談義に花が咲く

川越NWさんから「希望が多ければ2戦目行きますが・・・」という声がかかった時、我々は二つ返事で答えた事は言うまでもない。

 そして開始された2戦目。
1戦目の反省を踏まえつつも、再度塹壕からスタートした。今度は前回の失敗を教訓によりイメージ通りの戦闘を試してみよう、ということからである。
塹壕内で立てこもる場所もきちんと選んだ。4人いれば無死角でカバー出来るのだが1名を欠く為、その点をどうカバーするかにも工夫をした。

そして敵は来・・・

今回は孫子に説く渡河中の敵宜しく、塹壕を敵グループに半分渡らせたところで叩いてみたり、塹壕に入った敵を倒して囮にし、救出にくる敵を迎え撃ったり、と攻撃も想定していた展開を幾つか実現する事が出来、また防衛時も誰か1名が生き残り何とか救出して急場をしのぐ事数度に及び、まさしく映画のヒーローみたいな展開が現実に起きたのである。

例えばこんな事があった。
偵察の為に塹壕より出て平原上にいた同志イノウエは、予想せず彼の背後(塹壕渡って後ろ)から敵の攻撃を受け、立ち木を遮蔽物にして激しく応戦をしたもののヒットされ移動攻撃不能になってしまった。
彼を倒し接近する敵は2名。
交戦を知り彼の救出に向かう我々はちょうど壕内を敵の渡壕地点に向かっており、こちらの方が一瞬早く気が付いた。
先頭を行く私がHG戦の為に用意して来た93Rでまず1名を叩く。返す刀で2人目を、とその間に同志金子は塹壕から平原上に上がり、見事同志イノウエのタッチに成功!壕内に滑り込むイノウエ。

しかし、2名の敵のはるか後方に敵グループの残り1人が存在していた。森林内からフルオートで弾幕を張り、同志金子の壕内帰還は断固阻止の構えだ。

私は何度か索敵を試みたが、平原後方の薄暗い森林内にいる様で全く判らない。
音のする方に一斉射撃をかけ、反射的に引っ込んだ隙に同志金子を救わんと傍らの同志イノウエに声をかける。
「直ちに威嚇射撃を実施、君を窮地から救った英雄金子同志を救い出し此処から後退するぞ」
しかし彼は先の銃撃でマガジンを全弾撃ち尽くしており、ジャラジャラキコキコとやっている。
止むを得ん、私だけでも、と93Rのマガジンを新しい物に換えモーゼルも出し2丁手槍にすると、同志金子に伝えた。
「1、2の3でぶっ放す。その隙に戻れ」

そーれ 1、2、3!

とちょうど間に合った同志イノウエのAKも火を噴き、3丁で銃撃音のした方を目くら撃ち。
見えない敵が一瞬身をすくめる予感がした。と同時に背後に滑り込む音が。
「ただいま帰還しましたっ!」

よし、一気に後退だ!

引き際良く100m程壕内を離脱、敵弾の射程外まで来たところで我々は1名ずつ順番に弾薬補充を行い(勿論その間2名は周辺の警戒だ)、ようやく戦力を回復した。
3番目の私が弾薬補充を終えて壕外に目をやった時、先ほどの敵2名が平原から森林へと撤退して行くのが見えた。森林内の敵が救出に来たのだろう。
全滅させられなかったのは残念だが、彼我の状況から考えて踏みとどまっても弾切れ状態では有効な戦闘は展開出来なかった。まずは自分達の命大事、でそれが成功した事が今回大きかったのであり、欲張ってはいけないな、と自戒。

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かくして、気が付けば1度も全滅する事なくHG戦2回目を戦い抜いていた
上記のような危機一髪の状況は何度もあったのだが、生き残った同志が自らを省みず救出に駆けつけてその場を救うというドラマチックな場面が何度もあったので達成する事が出来たのだ。
2次元電脳では決して味わえないこの充実感、他の同志達とも是非共有したいものだと強く感じた一戦であった。



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