三兵タクチイキ ーーー反両面作戦での勝利ーーー 
2006/4/16


チームタラン管理下、Yフィールドゲームにて:(人参解放軍よりの参戦 3名 ゲーム全体の人数 7名 ・・・朝方出た「天候悪そうなので中止」の連絡を確認出来なかった人が集まっちゃったので少人数)
 筆・紅中兵
 

 我が人参軍における最小戦闘単位は3名である。
これは1丸となって行動するということを想定しており、主に迂回や突撃といった1任務達成の為のフォーメーションを形成し、運用する。
従って、攻撃の1翼などといった限られた範囲での限定された行動には非常に有効に機能するが、一方でエリアの守備などといった面をカバーする戦闘行動については、数単位を方向別に投入するなどが必要となってくる。
しかしながら、この最小単位単独にて防衛任務を行い、2方面からの敵攻撃を防いだばかりかその後攻勢に転じ敵フラッグ奪取まで達成するという快挙を成し遂げる事が出来たので、今回はその革命偉業の様子をレポートし、成功の要因について振り返ってみたい。
 

 この日はタランYフィールドでの2戦目、我々人参解放軍3名は山上のフラッグよりスタート、いっぽうの敵は4名にて向かいの丘地左手側の中腹にあるフラッグからの展開であった。
こちらのフラッグがある山地は、急斜面による高低差は防衛に利用できるものの、遮へい物に乏しいという弱点も有しているので守備位置はかなり限定される。
また、山頂からセーフティのある方向にまっすぐ下降する右のラインと敵フラッグからほぼ直線となる左手側斜面からのライン、大きく2つの侵攻ルートを有している為、敵に両面作戦をとられる恐れがある。
しかしながら3名という我々の人数ではとても両ラインに十分な防衛線を張るには足りず、また敵が1方向のみに限定して侵攻してくるという保証はどこにもない。
その為、我軍は主戦力を敵フラッグから近い左側に貼り付け、もう1方の右ラインは警戒線だけを張っておきまず先に出て来た敵に戦力を集中、これを叩きすぐにもう片側へ転進してこれをも撃破、の内線作戦を試みることにした。

言うのは簡単だが、これは最初に接敵した側を迅速に叩いてしまう必要がある事、敵は分かれて侵攻する2部隊が連携しないか或いは連携不十分である事、など諸般の条件が揃わないと成功は難しい戦術である。
かのナポレオンですらワーテルローでウエリントン・ブリュッヘルを相手に試みたが失敗したくらい難しい(そういえばアスターテの会戦でラインハルトは...閑話休題)。

さて、これを踏まえた今回の布陣として、敵陣寄りの左斜面には同志佐藤人・同志イノウエの電動2名を配置してもし敵が一丸となって左の最短直進ルートを突進してきた場合に対処を可能とし、手槍(ハンドガン)の私は右斜面をやや前進して敵の動きを偵察、もしこちらへ回り込んでくる事が判明した場合には電動兵の配置転換を適宜行っていく、という初期配置を作戦方針として定めた。

開始合図の後、各自が持ち場につく。
しばらくして、両陣の中間にある谷間に敵の高機動な手槍兵が出現した。右進入路を目指している様で一気に突っ込んでくる。1名なら私1人でも十分と狙いを付けていると早くも敵は発砲を開始して来た。足止めの為に私も威嚇の発砲を行う。ちょうど中間の谷間やや向こう側寄りの大木の陰に入り、ここで私としばしの撃ち合い。
その頃左方面からも「敵発見!」の報が。そして電動同士の銃撃が開始された。とすると右の敵は陽動で本隊は左か、と思っていたところ、やや後ろから長い電動を持った1名がゆっくりとではあるが敵手槍兵と同じ道筋を続いて進出して来ている。

どうやら兵力を2分し、左右両方からの進攻を試みている模様だ。
左は遮蔽物・高低差などあり1対2程度なら十分防衛可能と判断した私は我が軍電動兵の1名を呼び、右に回る敵電動兵を駆逐する様命じた。
同志イノウエが駆けつけ、電動対電動・手槍対手槍の応酬が始まった。

しばらくして地の利を生かした我々は右に回った敵を2名とも撃破する事に成功、また左の守備兵からは敵2名と交戦中である報告が届いていたので、私は即座に決断した。

「一気に下山し向かい斜面を駆け抜けて敵フラッグを奪取する」

後方にいた同志イノウエに声をかけ、共に猛スピードで駆け下りる。
まだ交戦中の敵がこちらに矛先を向けて来ないかを注視しつつ、谷を越えて向かい斜面まで到達した。こちらからでは敵の位置は見えないが、相変わらず我が守備隊と交戦中な上、前方にそびえる急斜面のせいもあり攻めあぐねている様だ。
敵が近く所在が確実に掴めているなら後方に回って挟撃という手もあったのだが、距離もありまた正確な位置も特定できなかった為、確実な勝利目指しそのまま敵フラッグへ急進攻を続ける事にした。この時点でこちらに気付いたとしてもまだ射程外の筈だし、少なくとも同志佐藤人がそう短時間でやられるとは思えなかったからだ。

とはいえ油断は禁物、兵は拙速を尊ぶである。急げ!

斜面中腹を駆け抜けると今度はやや木が濃く茂る別の斜面にさしかかり、ここからは更にきつくなる傾斜を登らないとフラッグには辿り着けない。
足はがくがくであったがここでのもう一踏ん張りが迅速な勝利を確実にする。

私は続く同志イノウエを叱咤しつつ駆け上がった。すると遂に眼前に目印の付いた木が。これだ!

「ゲット!旗取り終了っ!」

かくして勝利を収めれば、セーフティへの帰路も足取り軽く感じられるというものである。
我々は敵兵力の半数を撃破して軍旗を奪取、しかも我が方の損害は無しという快挙に酔いしれながら次のゲーム準備をすべくブルーシートで雨よけ屋根を張った我々の荷物置き場へと戻ったのであった。
 

後日談・・・このYフィールドは2006年5月、数多のゲーマーに惜しまれつつも開発の波に呑まれ閉鎖となったのであった。
タランの皆さん、そしてYフィールドで共に戦ったチームの皆さん、ありがとうございました。
そしてまた必ず、どこかの戦場でお会いしましょう。



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