ゲームレポート
「手槍隊見参!オフィスムーンインドア戦の巻」
2000/7/22

死ぬほど暑い7月の某日、かねてより「インドア戦やりた〜い」という声に応えて企画をしていた私はかねてより噂に聞いていた船橋の方にあるという「オフィスムーン」フィールドへの進出を思い立った。
聞けば3月にレイアウト変更を行い、ハンドガン限定で外部ソース禁止フルオート禁止、初速も80m/sまでとかなり私好みレギュになっている。ハンドガン限定とくればこれは結成以来いまだ華々しい活躍の場がなかった手槍隊にとっては格好の腕試しともなるだろう。
かくして、ムーン経験者で同じくインドア戦大好きな「武士」さんと共にかの地へ出陣する事となった。

さて当日、電車の接続が悪く(西船橋から京葉線に乗ろうとしたら約40分待ちだった!)送れて到着すると既に「武士」の同志達は準備万端待ち構えていた。いつもの物々しい軍装と違ってGパンやTシャツといったなんとなくラフな様相が、インドア戦強者の余裕をすら感じさせる。
我々は当然人民帽に人民服に人民靴という人民兵装、そしてシルバーモーゼルやルガー8インチ、ブローニングHP中華民国仕様といった各々自慢の装備を手にすると、意気揚揚とフィールドへ進撃したのであった。
さあ、まず第一戦だ!組み分けはとりあえず人参軍vs「武士」で良いだろうという事でやってみた。
このフィールドは部屋の両側壁面をまっすぐな通路として確保し、通路ではさまれた中間の空間を段ボールやパレット、ベニヤ板や廃家具などで迷路状に作り込んである。しかも何箇所かは階段で上がる通路状の部分もあり、3次元なバトルが楽しめるようになっているのだ。
人数差(人参軍の方が一名少ない)に加えてインドア戦経験不足から、初戦はあっという間に人参軍の惨敗で終わった。続く2戦も・・・3戦目も・・・(ヲイヲイ)
これはしょうがないという事で、人参軍がフィールドに慣れるまでグーパにて組み分けする事が決定された。これだと人数差やチーム分けがランダムに決定されるので戦力的偏りが発生しにくい。いや、発生しても一回きりの組み分けなので恨みっこなしでやれるのだ。さすが朱雀所長、見事な采配である。
実際やってみると、これが予想以上に有効であった。まずは人参軍なり「武士」なりが2分される為、必ず敵側にも自分達と同レベルの敵が存在するのでウマイ人もそうでない人もそれなりにゲット出来る(その分ゲットされるが)対象が存在するのだ。更には我々人参軍の場合だとインドア戦巧者の「武士」さん達のプレーを間近で見れるので、インドア戦特有の戦い方を急速に学べるという特典付きな訳である。
事実、「裏切り者を始末する」という気分でもっぱら敵に回った人民服を狩っていた私も徐々に彼等の動きが変わっていくのを実感していた。
ある意味、インドア戦には野戦で必要な要素がかなり高濃度で現れてくる。それは例えば無音移動であるとか、徹底した待ち伏せであるとか、敵の虚をついた突撃前進などだ。短時間のうちにそれらが次々と必要とされてくる為、ただ漫然とプレーするのではなく考えながら行動しているなら今後野戦を行うに当ってもこのインドア戦の経験がかなり有益となる事は間違いないだろう。
まあそんなこんなもあるんだが、インドア戦最大のお楽しみは何といっても「映画のような劇的プレーを体験できる」事に尽きるのではないだろうか。
おそらく読者諸兄も理屈っぽい理論よりは筆踊る文章をお望みと思うので、ここでちょっとダイジェストでこの日1日のハイライトを書いてみよう。

その1・気分は「男達の挽歌2(またはフェイス・オフ?)」:
その時、私はドラム缶が林立するエリアから通称「重役室エリア」と呼ばれる机やソファーのある区域に向けて警戒前進をしていた。
突然左側の白いドラム缶に着弾、「ガイィィィン!」とすごい音が響き渡る。
前方のパレットエリア内に敵がいるらしい。当てずっぽうに銀モーゼルをダブルタップでぶっ放す。が、手応えなし。
敵の反撃が今度は右前方のドラム缶に着弾、「ガィンガイィィンンンン!!」鼓膜を直撃する激しい音は実戦さながらだ。
と、「いた!」物陰にコバ殿を発見、すかさずモーゼル弾(今回は0.12gを使っていたので初速は早いが弾頭が軽い7.63モーゼル弾の気分だね)を数発叩き込む。
「ビシビシッ、ブシブシッ!」さすが巧妙に遮蔽物を利用しているので、全てパレットに弾かれてしまった。ううむ、このままでは埒があかない。
どのみち位置もバレているので、もたもたしていても狙い撃ちで殺られるだけだ。だったら懐に突っ込んで撃破してやる!
私は新しいマガジンに換えるとドラム缶エリアから一気に飛び出した。
と、なんとコバ殿も同じ事を考えたと見え、突っ込んでくるではないか!
さすがは勇猛果敢、漢気あふれる「武士」さんらしいプレイである。
かくして、いきなり何も遮蔽物のない空間に両者飛び出しての銃撃戦と相成った。ちょうど「男達の挽歌2」でケン(チョウ・ユンファ)と悪者の用心棒が一室で撃ち合うあのシーン(弾切れユンファに用心棒は自分の一丁を滑らせて渡し、自らも92Fを一旦下において戦う奴)みたいなシチュエーションとなったのである。
距離はかなり近いのだが、双方共に激しく銃撃。あわや相討ちかと思われたが先ほどマガジンを換えた状況判断が功を奏し、オープンストップした銃を握り締めたコバ殿を私はなんとかやっとこ撃破する事が出来たのであった。

その2・三次元を制覇せよ
今回はどうも不調だった。行く先々には敵はおらず、しかも銃撃戦は常に遠くで行われている。
もたもたしている間に敵味方ともあらかた片付いてしまった。とはいえ終了の合図が来ない所を見るとまだどこかに敵がいるのである。
こんな時の身の振り方は難しい。「命大事」モードならただ隠れてれば良いのだが、それだと相手も同じ事を考えていた場合何時まで経っても遭遇しないからゲームにならない。ましてやあらかた死んでしまった今ではなお更である。だいいち、ただ待ってるだけで勝っても楽しくも何ともない
そんな訳で私は場内をウロつく事にした。こんな時「ほとんど地下足袋」の人民靴はその軽さと柔らかさから無音での移動を可能にしてくれる。全く、安いにも関わらずその驚くべき機能で常に我々の予想を良い意味で裏切ってくれる人民兵装万歳!
等と考えつつ、フィールドのほぼ中央まで来てしまった。ここは隠れ場所も多く、しかも階段〜通路が2段になっていたりとかなり入り組んだ個所である。
私は意図的に通路下の空間に入り込んだ。ここは狭いがその分遮蔽物に囲まれる為、側面や背面からは決して襲われない。前方だけに集中していれば応戦可能なのである。
というのは、さっきから残弾が少ない事が気になっていたのだが迂闊にマグチェンしてその動作で感づかれては元も子もない為、安全な場所を探していたのだ。ここならもし気が付いた敵がのこのこ接近してくれば逆に返り討ちにすら出来るだろう、という事で敵を引き付けるつもりもあり、わざと無神経にマグチェンを行う。
完了。しかし、誰かが動いた気配はない。
こっちは弾数十分、では狩りにいってやるか、と頭を出した瞬間、頭上に冷たく大きい固まりを感じた。その感触はナイフではないないばかりか、モーゼルやルガー、P38の様な細いバレルの感触とも違う。大きく重量感のあるマズルは、間違いなくガバや92Fなどの「武士」さん装備銃である。なんと、頭上の通路に朱雀所長が潜んでいたのだ。360度の警戒は完璧だったのだが、まさか三次元の「上」を取られていたとは・・・!
さすが2つも3つも上手の「武士」さんであると素直に脱帽しつつも、ついいつもの野戦のクセ(ナイフアタックあり)で「ナイフアタックだな・・・」と直感した。
「銃口・・・?まあ触れたんだからアタック成功だな」と一人勝手に解釈して、「フリーズね」と言ってフィールドを後にした。
通常、「射殺されるまでは断固フリーズ拒否」の紅中兵があっさり死んだのはそういう思い違いがあったのである。
それにしても・・・もし誰かがビデオを回してたらまるでシナリオがあるのかかと思うくらい「決まった」フリーズであった。きっとすごいシーンになってただろうに。残念!

その3・「ルンさん、俺は生きる!」気分は階段撃ち(或いは「リプレイスメント・キラー」?)
かなりのゲーム数をこなし、さてそろそろチーム単位に戻ってみようか、という事になった。
混成チームで「武士」さんに留学していた同志達を迎え、さあ今度は初回のようなブザマな負け方は出来ないぞ、誰もがその辺を意識していたと思う。
開始してみると、動きが格段に変わっているのだ。走るべきところでは走り、遮蔽物への突入も見事だ。さすが「武士」さんプレーを拝見させてもらっただけの事はある。これがもし人参軍単独でやっていたら、彼等もここまで1日で上達は出来なかっただろう。
自然と「同志砂金が前衛、私と東独義勇兵Fで両翼」というフォーメーションを組んで、3人一組で行動していた。
同志砂金が「重役室エリア」に向かい、義勇兵Fが階段を上がって通路に腹ばいで陣取り私がその下やや前方を進んでいた時、突然背後で銃撃が始まった。振り返ると義勇兵Fが応戦している。彼も背後を衝かれた為、ちょうど腹を上にして伏せた状態で、自分の足元に向かって激しく打ち込んでいるのだ。まるで「男達の挽歌2」でチョウ・ユンファが階段を背中で滑り降りながら射撃するあのポーズそのものなのである!
救援に向かいたいが私のところからでは敵の位置が正確に掴めない。まあ上対下という地の利もある上、93Rとブローニングハイパワーの2丁拳銃の火力は圧倒的ですらある。彼一人でもなんとか片付けてくれるだろう、としばらく観戦していた。
が、壮絶な銃撃戦の末に凱歌を挙げたのは下から襲い掛かった敵の方であった。
誰だ?
これだけの使い手は所長かコバ殿に違いない(他の方も勿論ウマいんですヨ)。と思っていた瞬間、通路下から所長の顔が!向こうもまさか味方がいるのに応戦しない訳がない、と思っていたのだろう。お互いにびっくりして咄嗟に下がりつつ銃撃。当然当たらない。
さてどうするか。相手は百戦錬磨の朱雀所長だ、私がモタモタしていれば間違いなくすぐに体制を立て直して襲い掛かってくるだろう。とすればここは危険を承知で切り込むしかあるまい!
無敵人民靴の助けを借りて、滑るように無音で通路側面へと移動する。物陰に黒い塊が、おお所長だ!
すかさずシルバーモーゼルが火を噴く。あまりに近すぎて申し訳ないなあと思いつつも、殺るか殺られるかだと強引に自分を納得させて撃ち込んでしまった(スイマセン)。
ヒットコールと共に所長が下がったとたん、なんとちょうど肩口のあたり、後ろの通路上にコバ殿が!しかも銃口はこちらを向いている。
所長に向けていた銃口をそのまま上にスライドさせ、更に銃撃。数発飛んできたが弾数に物を言わせてこちらも制圧成功。
後で判明した事だが、その時コバ殿は手にした拳銃がどちらも1〜2発しか弾がなかったそうである。もしそこに入っているのが「死弾」だったら・・・冷や汗モノの一戦であった。
(というのは、所長は既に「死弾」使用経験アリなのだ!)

・・・かくして気が付けば、当初2時間で予定していた使用時間は既に2時間オーバー。
とはいえあっという間の4時間であった。が疲労度は通常の野戦ゲームと同等かそれ以上。
こなしたゲーム数を考えると非常に中身の濃い一日であったといえよう。
勿論皆大満足で、「今日来ない奴はなんてもったいない事をしたんだろうね〜」で一同納得しつつ帰途に着いたのであった。
そういえば徒歩しか機動力がない我々を「武士」さんは帰り道の駅まで車で輸送してくれたのでした。感謝!



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