神奈川ゲーム「丘を痴に染めて」
2000/2/5

遂に投稿レポート入稿!
初の外部投稿者はKUSH屈指の狙撃兵・某「H」さんの手に寄るものだ。
もともとこの「グリグラフィールド」は広さもじゅうぶんなら敵陣への侵入経路も多数取れるという優良フィールド、しかしながら運命のいたずらかそれとも天の定めか、我らが同志主席ご一向と某「H」氏は何と3回続けて鉢合わせしたという超自然の恣意を感じるような1戦(というか3戦ですな)を狙撃兵の視点から描いた意欲策である。
なおこの不思議な一戦は同志主席の線場レポートにも記録されているので、後にそれも引用した。
彼我の視点から見た宿命の死闘を満喫せよ!

 

タイトル
・「主席キラー」by某「H」氏
・「狙撃兵掃討戦」by紅中兵
・今日の名言

・「主席キラー」

2月5日今日も人参さんと我がホームグラウンドでゲームをして頂けるということで、私は張り切ってゲームに参加した。私は「スナイパー」をやっているのだが、どういう訳か弾が命中する回数が非常に少ない。まぁ、スナイパーはそういう宿命にあるのが普通である。私が所属しているチームのメンバーからはひそかに「使えない」存在であった。そう、スナイパーの『命』でもある「ライフル」をへたっぴカスタムにしていたせいで、精度は「激悪」というものであった。

我が軍の隊長でさえ「電動にしたら?」という発言を頂き、また他の仲間も同じような発言をしていた。それほど私の評判は芳しくないものだった。ソンなさなか、銃を買い換え新たな気持ちで新しいライフルでゲームに望む日々が続いた。その成果が実ったのはこの2月5日であった。

私は、いつものように仲間内から『腕』の心配をされずに私の『銃』を心配する声が聞こえた。しかし、それは私にとっては「いつものこと」で聞き流していた。

それで、その日最初のゲームが始まった。私は端くれでも「スナイパー」なので、隠れることは上手であったのがせめての救いであった。そして、私は隠れながらいつものように敵を監視していると偶然にも群れをなした『主席』が視界に飛びこんできた。スコープからの視点で主席を見ると丁度射程距離範囲内であった(スーコープに映る人の大きさでだいたい距離が割り出せる)そんななか、私は震えがきた。

そこで一発撃ってみた。見事に命中した。が、しかし、被弾した本人は止まっている。「あれ?」そう、思って再度引き金をひいた。そうしたらまたヒットした。今度こそ当たって当たった本人は「ヒット」といいながら去っていった。

残念ながら私の目的であった『主席』自らの「ヒットコール」を聞く事は出来なかった。というのは先ほど仕留めた兵の代わりに、颯爽(さっそう)と一人の兵士がこちらに向かってきた。スコープから目をはなし、見てみたらそれはまさしく『主席』がこちらへと走って来るところであった。
私は慌ててリロードをして射殺を試みたが、モーゼルの「餌食(えじき)」となってしまった(ToT

そうして、続く2ゲーム目私は敵陣に乗り込むため回り道をして匍匐前進(ほふくぜんしん)をしながら移動をしていた。
ゲーム開始から約五分。敵兵が何人かこちらに向かって歩いてくる。スコープで拡大してみると先ほどと同じ「ご一行」がこちらに来るではないですか!(笑)

さすがに主席は先頭を切って歩いていた。私はまた震えがきて、今度は止まらなかった。しかし、障害物が多いので闇雲に撃てなかったので射程距離範囲内になってから撃つように心がけた。そうして射撃をしてワンゲット。その後はだれかの餌食になって終了。

そして、3ゲーム目。丁度私はフラッグを守るよう言われていたので、フラッグを守ろうと前に出てくる敵の動きを止めようとしていた。私はしばらく敵の気配を感じるまで気持ちをはっていた。敵の気配が自分のいる位置から10時方向で感じとれた。気が付かれないように自分の射程距離範囲内まで私は移動した。

狙いを定めてスコープをみた。そうしたらなんと!例の一行であることが確認できた。当然その時の先頭は「主席」であった(^^;3度目の遭遇。これはかなり偶然である。彼らは、遮蔽物に隠れながら移動をしていた。そのおかげで私は引き金がひけなかった。しかし、一番最後を歩いていた兵士が何ともワイドオープンであったのが彼の最後であった。私は狙いを十分に定め、引金を引いたが、外れてしまったようだ。

二度目の挑戦。再度引金をひいて見事にヒット。そのゲームが最後の主席との遭遇劇であった。後でその話を聞いてみると、主席の軍隊の進行方向に我が軍がにらみを効かせていたので身動きが取れなかった。ということだったらしい。

と、このように3度も主席と遭遇してしまうことはまさに、このタイトルそのものであると私は確信した。最近は電動ガンの普及のせいでモーターが動く音がうるさく、それになれると、コッキング式ライフルから発射される音が聞こえないということを主席がもらしていました。(^^;

私はまず、足元を狙い足を撃ちます。しかし、「ヒット」と聞こえない、もしくはゾンビ行為をしそうなときは順に足、腰、胸顔を(やりすぎか?(^^; )狙いますので、速やかに「ヒット」と申告してくださいな。(^^ では。
 
 

・狙撃兵掃討戦

(紅中兵著・サバゲ解放戦史より抜粋)
第一章・遭遇
かのグリグラフィールドもやっと2度目、これで特に問題がなければ定例化しようという実験ゲーム最後の時の事である。
当日我が人参軍では同志強化委員長をも迎え、彼にとっては初のフィールドに午前中はゲームの勝敗よりも地形慣れしてもらう事に主眼を置いていた。・・・(中略)
かくして午後のゲーム、さあここからは気合いを入れた戦略戦術の応酬と参ろう。今回は丘の下のフラッグが我らの開始位置だ。一同を集めて作戦会議に入る。
「折角ルート的には幾つもあるのだから、少数の迂回部隊に尾根伝いに行かせると共にその迂回を成功させる為にある程度の兵を丘の真下まで進ませて斜面に取り付く戦法で兵力を貼り付けさせよう」
「いや、途中に開けた所があって撃ち下ろしされるから下の道を進んでは斜面まで取り付くのは絶対無理
この絶対というのにピクリ、と来た。
確かに彼我の技能が同等なら無理だろう。しかし先方はチーム火力を有機的に采配するだけの戦術巧者を欠く為に各自の思い付きで配置や戦術が決定されるのに対し、こっちでは私が同行して直接指揮を執るのだ。同じ頭数でも総合的戦力は必ずや上な筈である。
「よし、その絶対不可能とやらを可能にしてみせてやろう
この時の私の心境は象を連れてアルプス越えをしたハンニバルや、オスマン艦隊を山越えさせてイスタンブールを砲撃したメフメット2世にも近かったろう。
そうこうしているうちにスタート時間となった。
当初の予定通り、同志委員長を含むベテランから構成される小グループはフラッグから後方斜面を登って木が生い茂り視界も届かない尾根近くを進み、我が人民兵集団は丘の谷間に沿って伸びる道を一気に駆け抜けてフラッグ下斜面へと向かった。
丘の上稜線付近では敵の動きが感じられるがろくに撃ってこない。どうやらたまたまそこに向かってきた者が仲間を呼ぶでもなく自分だけで応戦している様だ。
※ワンポイントレッスン
敵の動きが見えたらその人数に応じてすぐに兵力を動員しなければならない。増援が期待できないなら潔く退る事も時には必要である。
お陰で一兵も損なう事なく斜面に取り付く事が出来た。同志達と共にわずかな窪みや木の陰を利用してじわじわと攻め上る。地面と一体になっていればヒット率はかなり低くなる。
「諸君頭を低く進め!ここで死んでくれるなよ」
時々上から撃ってくるが頭の上をかすめるだけだ。1連射2連射と反撃を試みる。左右の同志も負けじと撃ち始めた。
さすがに数名の一斉射撃を受けてはたまらないと思ったのか、我々の頭上で反撃していた敵兵が背中を見せて去っていった。
「今だ、この気に追撃しながら攻め上れ!」
斜面が急な為、張り付く様にしてワッシワッシと登っていく。
とりあえず撃退したという安心から各自がちょっと体を起こし気味になっていた。
と、突然私の左の同志が「ヒットッ」と叫んで下がっていく。しかし射撃音は全く聞えなかった。
「スナイパーだ・・・」
一同が一瞬凍り付く。
「頭を下げろ!狙い撃ちされるぞ!」
だが、遅かった・・・既に敵狙撃兵は次の獲物を捉えていたのだ。
第一撃はザックの肩当て部の金具に当たったという。何が起きたのかわからず「?」と疑心に借られていた彼は次の一撃をしっかと体に受け、黄泉の国の人となった。
たちまちに2人をやられたが、ある程度の方向はわかった。左前方10時方向だ。
「狙撃兵は左だ!右にずれて回避する!」直ちに全軍を右へとスライドさせる。
お陰でそれ以上の被害を出す事なく斜面の終わりまで到達できた。ここからは敵フラッグまで平坦な地形が広がる。
ちょっと止まって様子を伺うが、全く動きが感じられない。
フラッグ前ではなく背後に待ち構えているか、或いは守備隊なし、か。
どのみちここまで来たらやってみるしかないだろう。
「一斉に飛び出して一気にフラッグまで走ろう!イーアールサン!」
駆け出すと同時にフルオートの猛射が襲ってきた。それも複数。
どうやら最終防衛線に真っ向から突っ込んでしまったらしい。
かくして我々の戦いは終わった・・・と思ったがこれは序章に過ぎなかったのである。

第二章・再開
次の一戦はフラッグ入れ替えで我々が山の上になった。守るには良いが敵フラッグまで攻めるとなると別問題である。というのは下のフラッグは谷底にある為に位置の特定が難しいのだ。グリグラフィールドの広さを実感するのはまさにこの時といえよう。
先ほど迂回に回ったベテラン組は今回は専守防衛に就きたいとの事だったので、今回我々はフラッグ〜フラッグを結ぶほぼ直線ライン、ただし中央の開けた谷側ではなく、やや上方の森林が濃く見通しの悪い個所を伝って敵フラッグを上方から襲う事にした。
このルートは途中獣道の様なものに出るまではどの辺にいるのか見当が付けにくい。とはいえ彼我のフラッグ距離から、だいたいの敵進出エリアは推測できる。5分ほど進んだ所で一瞬動く物が見えた様に感じた。最先頭の私はすぐに後続の同志達に指示を出す。
「そろそろ交戦区域だ。なるべく物陰を利用して進め」
私の一言で一同の動きが一変する。皆ウマくなったな。
と、前方で腕の様な物が動くのが見えた。やや迷彩服!
※地質・植生にマッチしていないと、時に迷彩服はかえって目立つ元になる場合があります。この日は冬で下草は枯れ、ベージュ色の大地に緑主体の迷彩服は一度見つければ容易に判別出来ました。
とはいえまだ距離がある。向こうはこっちが気付いたと思っていないだろうから、絶対確実に仕留められる所まで進んでやろう。幸い警戒前進の指示も出したばかりだ。
私は敵兵の狙いにくそうな方へと徐々に移動しつつ、間合いを詰めていった。
すると、我が後方3人目の同志が突然ヒットコール!
何!またしても狙撃兵か!!!
もう仕方がない。数で押すのが早そうだ。
「前方12時に狙撃兵!一気に撃ち倒せ!」
私の銃撃方向を見て、同志達の銃がが次々と発砲を開始する。しかし見通しが悪い上に障害物の多い地形なのでなかなかゲットに結びつかない。
敵さんも時々撃っては来るが、単発な上にこっちの数が多いからじっくり狙う暇がない様だ。結局スナイパーは仕留めたものの物音を聞いて駆けつけた敵援軍との銃撃戦になり、この回フラッグは見れず仕舞いに終わった。
しかしさっきの狙撃兵がまたしても我らの前に立ちふさがるとは・・・
だが、このアムロとシャアの様な妙な因縁はこれで終わりではなかった。
そう、決戦はア・バオア・クーで行われるのである。

第三章・決戦
陣地を3度入れ替えてのゲーム、今度の我々は再び下から山上のフラッグを目指す回だ。
敵もさすがにさっきと同じ手は使わせてくれないだろう。といって稜線伝いの迂回路は大部隊で向かうには時間もかかりすぎ、目立ってしまう。
そこで前回のルートを逆走、つまりフラッグ前の小山を登りその向こうの谷を渡って敵フラッグのある丘の側面の斜面から攻め上る事とした。
ここは小山を上り切ったところからはずっと見晴らしが良く、長射程銃があればかなり食い止められるが一方守備兵の動きも丸見えなのできちんとした配備をしていないと数で押し切られる危険性もある。
そこで人参軍のほぼ総力を挙げてなるべく横に散りながら前進し、フラッグを側面から突こうという作戦を立てたのである。
この作戦遂行にあたり要点が2つあった。1つは敵が進出する前に出来るだけ斜面近くまで進む事。2つ目は連携した動きで発見した敵を確実にゲットしていく事。
かくして開戦の合図は出た。
フラッグ手前の小山を越え、谷に降りるまでは難なく進んだ。ちょうど谷間の開けた地形に差し掛かった時、山頂から2つの動く陰が見えた。敵が進出してきた!
だが右の1人は我々に側面を向けて下の方を撃ちまくっている。先ほどの我々のルート(第一章参照)を今度はベテラングループが進んでいるのだ。敏捷な動きに恐れをなしてまず向こうを叩こうとしているのだろう。
という事は我々の敵は実質1人。力押しでも数で押し切れる筈だ。
と、最後尾にいた筈の同志から「ヒットッ!」
誰かが叫ぶ。「スナイパーです。あのスナイパーがまた我々の前に!」
何!ことごとく我々の前に必ず現れるあの狙撃兵か。しかも今回は開けた地形に撃ち下ろしと来ている。
「物陰に隠れて一斉に動け。バラバラに出るなよ!」
だが隠れきれなかった体の一部を彼は逃さなかった。2人、3人・・・次々と木陰から響くヒットコール。
もはやこのまま隠れていても損害を出す以外の事は期待できなそうだ。それでは・・・
「一斉に出るぞ!目標はスナイパーだ。イーアールサン!」
数名が同時にダッシュで斜面へと向かう。この間にも私の右後方からヒットコールが聞えた。足場は悪いがとにかく斜面を駆け登る。と、狙撃兵は我が真正面にいた!
その距離僅か数メートル。お互いが一瞬、ゴーグル越しに目が合った事を感じた。
「ち、近い・・・」銃撃が躊躇われた。しかし、失われた我が同志達の霊が私のトリガーを引かせた。
「プッ、プラララッ・・・」短いバーストで、決着は付いた。
仇は取ったぞ、同志。
気が付くと私1人だけだった。そのままフラッグを目指す。
と、フラッグ直前まで来たところで電動の掃射!
ここまで来たが、これまでか・・・
だがすぐに右前方から連射が来、彼も即昇天した。
我が別働隊が到着したのだった。

3度連続して我々の進路に立ちはだかり、その進出を阻んだ件の狙撃兵にには後世「主席キラー」の名が冠せられ、この名勝負と共に永くその健闘が称えられたというがそれはこの一戦を指しているのである。
 

・今日の名言

「やっぱ日本人なら日本刀だよな。ウラー!」

(白兵戦武器も使用可能なハンドガン戦時に、某委員長が玩具刀を手にして)
 




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