人参旗翻して  「戦」戦レポート

2012/5/27


2012年5月27日
参戦者:紅中兵、同志金子、赤口のカタヤン、流しのジョン、×(カケル)、ジュゼ准尉(「ウルバヌス」観戦武官)
記:紅中兵


フィールド「戦」戦場マップ

人参解放軍アーカイブ提供


第一章 人参旗翻して
この日は友好チームさんのお誘いにて、お初のフィールド「戦」にての貸切ゲームに遠征を行った。
フィールドは広い上に高低差があり、かつての弥生台や初石をMIXした様な我々野戦ゲーマーにとっては戦い甲斐のある地形。しかも中央部分の断崖は一部ロープが必要な急斜面があるなど、ちょっとした山岳歩兵気分も味わえる独特の構成となっている。

この日は地形に慣れる事等もあり、普通のフラッグ戦を何度かやったのだが今回ご招待頂いたチームさんが強豪揃いで我々は旗を取るとか敵を倒すとかの前にまず、如何に生き残るかを求めての戦いと相成った。

かくしてフラッグ位置を変えつつ数ゲームをこなし、続いては各フラッグを近くに置いてのフラッグ戦、ただしこの時我が軍の配置はB地点と、平原のど真ん中にある拠点からの出撃となった。
後退しても後方の敵軍と鉢合わせとなる。といって前進すると斜面を上がりきった竹林には砦状の地形にまた別の敵軍が銃列を敷いて待ち受けている。

気分は203高地である。

こういう絶対絶命の状態では、1つはフィールドど真ん中に突っ込んで崖を登り森林地帯に飛び込んでゲリラ戦、というのが常道だろう。

しかし、ふとセーフティに目をやりそこに誇らしげに掲げられている我が人参紅旗を見た私は、たまには1発、「人参軍らしい」派手なのをかましてみたくなった。

幸いB地点とセーフティはすぐ近くだ。敵軍が全て配置についたのを確認すると私は直ちに取って返して軍旗を持参、今回の作戦を告げた。

「全軍、C地点要塞に立て篭もる敵軍に対し軍旗を先頭に突撃する。
 陣形は1列横隊。
 人参解放軍の心意気を見せてやれ!」

遂に来たか!と意気上がる全軍。この盛り上がりは人参軍だネ。
拳銃持ちが私だけだった事から、片手の自由が利くという事で私が旗手を努める。

かくして、開始の合図と共に我が軍は平坦な登り斜面を軍旗を中心にした横隊を取り一気に突入を開始。

目指すはC地点攻略、その1点のみ。

地響き上げて駆け上る我が同志達。
これを阻止せんと敵軍からは猛烈なフルオート射が一斉に開始される。

右から、左から・・・次々と被弾し倒れ行く同志達。
胸壁から覗く敵兵の頭が見えた時、私も被弾。

「ヒットッー!」

しかし、上り坂ダッシュで脚が疲れていた私はすぐに帰る力もなく、被弾と共にその場に倒れ伏した。
少し、少しだけ休ませてくれ・・・

かくして銃撃が収まりつつある中をセーフティに向け帰還、この途中で気付いたのだが、実はカタヤンのみこの突撃に参加せず後方でフラフラと行き場なく逃げ隠れしていたとの事。
しかし、冒頭で述べた様にB拠点周辺に居残っても全く現状の打開は出来ないのが今回の配置。結局彼も戦死し戻ってくるハメに。
当然ながら「何故単独行動をとった?」と言うのが誰言うとなく挙がり、彼曰く「いやだって、無駄死にするだけではないですか?」と映画「MY WAY」のチャン・ドンゴンみたいな反論。
 

果たして、我々の死は無駄だったのか?
それは・・・
 

1戦終わって、この時ちょうど敵側だったチームさんとお話をしていた際、以下のような感想を頂いた。
 

「翻る真紅の旗を真ん中に、統制とれた横隊突撃で攻め上がって来る様子は凄い迫力だった。
 これが名に聞く「人参解放軍」か、と戦慄が走った。
 しかも、被弾した際の倒れ方までやたら決まっているではないか。
 ヒットコールを上げてさっさと帰っていくのではなく、本当に弾が当たっのではないかと思うくらい、見事に被弾の瞬間に各自が迫力の「やられた!」ポーズで次々と戦場に倒れていく様は圧巻だった。
 もしかして、普段のサバゲ以外にも(リエナクト戦などの様な)そういった活動をしているのか?」
 

どうやら私以外にもヒット時に倒れこんだ者が多数いたらしい。
そりゃあ登坂突撃だから、脚に来るもんなあ。
いやーまさか疲れたから倒れてました、とはいえないので、ご講評はありがたく頂戴した訳だが、これによりカタヤンは

「軍旗に従わないKY野郎」

として、シベリアへの道が1歩近づいたのであった。
少なくともこの時点では・・・
 

第二章 不死身の人参旗
さてさて、前回の「軍旗と共に突撃」に気を良くした我々は、勢いに乗って再び軍旗突撃を行う事とした。
しかし、今回は遮蔽物の全くないA地点からの開始、しかも敵は山中奥深いE地点がベースとなる。

今回の作戦としては、真っ直ぐに平地を突っ切って崖を一気によじ登り、ほぼフィールド中央にある崖上の要塞地点を確保、ここに拠って敵を迎え撃たんというものであった。

勿論、敵がもし真っ直ぐに中央要塞を目指して移動すれば距離及び崖登坂の両面から我が軍は不利、その場合中央に取り付いた部隊が敵を引き付ける間に左右に展開し要塞周辺を包囲・殲滅させるという次善の策も織り込み済。

そして開始の合図が。我が軍は軍旗を押し掲げて突進する!

「軍旗に後れを取るな!総員吶喊せよ!」

一気に崖を登る所までは成功した。だが、その時点で敵先遣隊はちょうど要塞の一角に到着、直ちに激しい銃撃が開始される。
特に、軍旗を掲げていた私の周辺への着弾は凄まじく、土砂降りの雨の様に周辺の土が泡立ち、煮え立った鍋の様になる。

何とか軍旗を立てたので、旗から離脱し反撃を試みようとするも頭すら上げられない状態。しかもその中で狙ったのか流れ弾かよくわからない物に被弾し、私はここで退場。

後退しながら敵情を伺うと、敵は我々の包囲網の更に外側から迂回を試みる部隊があり早くも最右翼はこれと交戦に突入していた。
崖上に上がり切ってしまうと正に背水の陣、後退は出来ないし仮に下がって降りてもその先は遮蔽物のない平原が広がり戦闘の継続は困難だ。
かくして×(カケル)が、そして同志金子までも交戦虚しく撃破され帰還してきた。

しかし、この時カタヤンは覚醒した。

「軍旗がガラ隙だ!」

彼は友軍の苦境を見て取ると前回の挽回とばかりに危険を犯し軍旗側に機動、これを安全圏に移動させようと交戦しつつ確保を目指す。

しかし、敵の逆包囲網は既に完成しつつあった。

かれは最後まで軍旗を救出せんと抵抗を試みたが、衆寡敵せず電動フルオートの集中射撃を受けて撃破。
しかし彼は、自分が戦場に最後なのを確認すると既に眼前にまで迫っていた軍旗を持って帰還、戦場に我が軍の魂が放置される事を避けたのである。

これにより、カタヤンのシベリアへの道は気持ち遠のいたのであった。

この1戦後、ちょうど交戦に当たったチームさんに様子を伺うと、

「予想外の素早い進行とそれに続く見事な展開、しかも隠蔽も上手で一旦潜伏すると全然見つけられなくて苦戦は必須だったのだが、軍旗があったお陰で『あ、何か赤いのがある』で、その下とか周りに必ずいるからどこまで来ているか、どの辺に居そうかが丸分かりだった。アレがなければ、アレさえなければかなーり手ごわい相手だったんですけどねえ・・・」
との事。

イイのである。軍旗ある時はこれが最優先、と諸煩総司令も言っていたのだ。
それこそが我等人参解放軍、なのだから。
 
 


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